脊柱管内の構造 of 脊髄外科ジャーナル



脊髄外科を新たな観点から見直していきたいと考えています



脊柱管内の構造

脊柱管を取り囲む骨や椎間板の内側には硬膜が張り付いており,脊柱管全体で見ると雨降りの時に使用する傘のビニール袋のような構造をしており,硬膜嚢と呼ばれています.硬膜嚢の中は透明なきれいな液体である脳脊髄液により満たされており,その中をゴボウのような形をした脊髄(横断面は下図のように楕円形をしています)が走っており,そして,脊髄からは,ゴボウからたくさんの根が出るように,脊髄神経が出現しています.

硬膜内.jpg

実は,硬膜の直下に脳脊髄液が存在するのではなく,硬膜の直下にはくも膜という薄い半透明の膜が裏打ちをしており,くも膜の直下をくも膜下腔といい,そこで脳脊髄液が循環しています.下の写真は硬膜を開けてくも膜を露出したところですが,半透明の膜の直下に無色透明の液体が存在し,その中に脊髄が存在しているのがおわかりになられると思います.

くも膜と脊髄.jpg