頸椎症性高次脳機能障害 of 脊髄外科ジャーナル



脊髄外科を新たな観点から見直していきたいと考えています



首の病気は脳の機能に悪い影響を及ぼします

むち打ち症(頸椎捻挫)のあとや脊髄損傷のあとにに物忘れが発生することがあり,論文でも発表されています.このように頸椎の異常は脳の機能に影響を及ぼします.我々は,以前に,頸椎の手術を受けられる患者さんを対象に調査を行ったところ,79人のうち10人の患者さんが物忘れに悩まされているとの回答を得ました.これら10人の患者さんに,頸椎手術の術前術後に心理検査を行ったところ,ある特定の大脳の機能が改善していることが判明しました,これらのことから頸椎の病気は大脳の機能を悪化させることがあり,その悪化は頸椎の手術により改善させることができる可能性があることが考えられます.
論文:Hoshimaru M: Neuropsychological improvement in patients with cervical spondylotic myelopathy after posterior decompression surgery. Neurol Med Chir (Tokyo). 2010;50(7):554-559.
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